Eテレ(NHK教育)で放送されているTV番組、「デザインあ」をご存知ですか?子ども向け番組の枠で放送されているので、小さなお子さんがいる家庭ではおなじみかもしれません。
しかし、子ども向けとあなどるなかれ!
今回は、むしろ大人にこそ見てほしい素敵な番組「デザインあ」の魅力についてご紹介します。
「デザインあ」ってどんな番組?
Eテレの子ども番組?
「おかあさんといっしょ」みたいなもの?
たしかに放送枠は子ども向けの時間なんだけれど、まぁまずはPVを見てみてくださいよ
耳に残る独特なメロディーと、目が楽しい新鮮な映像の数々。
「デザインあ」は確かに子ども向け番組ですが、そのコンセプトは「こどもたちの未来をハッピーにする“デザイン的思考”をはぐくむ」というもの。
日本を代表するクリエイターたちが、本気でこどもたちへ「デザイン思考」を伝えるという素晴らしくとんがった番組なんです。
デザイナーを目指している人には特に見てほしい!現役デザイナーさんも初心に立ち返ることができますよ。
「デザインあ」を大人にオススメする理由
最高のクリエイター陣の作品を見ることができる
「デザインあ」の制作スタッフは、クリエイティブ業界の最前線で活躍している方ばかり。総合指導はグラフィックデザイナーの佐藤卓さん。「明治おいしい牛乳」のパッケージなどが代表作です。
映像監修はウェブデザイナーで映像ディレクターの中村勇吾さん。ユニクロや日清食品など著名な企業のwebサイト制作を手がけています。
第一線で活躍するクリエイターが、デザインの本質を噛みくだいて教えてくれるというわけです!
ルックスの良さだけではない「デザイン思考」が学べる
ここ数年、ビジネス書でもよく扱われるようになったデザイン思考。「デザイン思考が世界を変える」や「実践 スタンフォード式デザイン思考」などの書籍が有名ですね。(手軽に知りたい方には漫画版もおすすめ)
「デザイン」というとお洒落なもの、カッコいいものというイメージが付きまといますが、その本質は試行錯誤して問題を解決することです。「デザインあ」では様々な切り口で問題解決の考え方が表現されています。
たとえばこの「赤い人」のコーナー。赤い人が毎回さまざまな困難に見舞われるのですが、ちょっとした発想の転換で過ごしやすくなったり、もっと便利に暮らせたりするのです。
まさに問題解決のためのデザインですね!ほかにも「デザイン問答」や「ない世界」も近いテーマを扱っていますね。
(…さっきの動画、聞いたことあると思ったらナレーションが笑い飯だ)
観察することの面白さに気付かされる
お湯のみ、マグカップ、ワイングラス。どれも飲み物を飲むための道具ですが、取っ手があったりなかったり、これほど形が違うのはなぜか考えたことはありますか?今まで気にかけたこともなかった事柄に目を向けるのが「デザインあ」という番組です。
ストップモーションで撮影された「解散!」は身近なモノをよーく観察して徹底的に解体するコーナー。CGではなくてマジでバラバラにして撮影しているそうです。
やばい(やばい)
子どもにも理解できるように作られている
「デザインあ」という番組は、アイディアで問題を解決することの面白さを、ちいさな子どもでも直感で理解できるように作られています。
はっきりした色彩、わかりやすい言葉、五感をくすぐる映像。子どもにとって分かりやすいのですから、大人にとっても理解しやすいですよね。子どもに向けてメッセージがぎゅっと濃縮されているからこそ、シンプルにメッセージが刺さってきます。
子ども向けからもう一歩進んで、もっとデザインについて知りたくなったら「なるほどデザイン」という本もオススメです。
様々なアーティストによる素敵な音楽
番組の音楽を総合的に担当しているのはコーネリアス。元フリッパーズ・ギターである小山田圭吾さんのソロユニットです。
浮遊感があるちょっと不思議なサウンドがクセになります!
番組では様々なアーティストとコラボレーションした「うた」も聴くことができます。これまでに登場したアーティストはYMOの高橋幸宏さん、エゴラッピンの中納良恵さん、くるりの岸田繁さん、相対性理論のやくしまるえつこさん等々…豪華すぎか!
おわりに
すでにデザイナーの人も、これからデザインを学ぶ人も、もちろんお子様にも、老若男女にオススメできる番組です!
「デザインあ」の魅力についてご紹介してきましたが、書けば書くほど子どもに見せるだけなんてもったいない!という気持ちになりました。
小手先で作りやすいもの、綺麗っぽい、お洒落っぽいものを作るのがデザイナーではないのだ、という大切なことを教えてくれるすてきな番組です。
機会がありましたらぜひご覧になってみてくださいね!